事例集 - AI

AI導入で「AI Readyへ」 社内実践から得た効率化と未来像

【エフサステクノロジーズ株式会社】

運用現場の課題とAI活用の必要性

IT運用現場では「コスト最適化」「運用品質の維持・向上」そして「属人化解消と人材育成」といった複数の課題が絡み合っています。

当社のサービスデスクにおいても、顧客要件に応じた複雑な受付業務や品質確保のためのダブルチェックなど、人手に依存する作業が存在し、業務効率化と品質安定化が求められていました。この状況を打破するため、2025年4月より、当社が蓄積してきた運用アウトソーシングデータを学習させたAIエンジン「FTaI(エフ・ティー・エー・アイ)」と名付けたAI活用プロジェクトを発足しました。AI基盤には自社プロダクトである「Private AI Platform on PRIMERGY」を採用しております。

AI活用アプローチと苦労した点

導入フェーズ:適用業務の選定

AI導入に際し、まず「適用業務選定アセスメント」を実施しました。これは、業務フローの中からAIが最も効果を発揮する箇所を特定し、その現行工数を数値化するプロセスです。ユースケースとして明確化することで、関係者間でのプロジェクト目的、および方向性の認識共有と合意形成につながりました。

メール作成自動化によるサービスの均質化 ユースケース例 原則、AIがメールを自動作成 担当者はAIが自動作成したメールの確認

構築フェーズ:ノーコード開発によるAIアプリの実装

AI基盤である「Private AI Platform on PRIMERGY」には、ノーコードで生成AIアプリを構築できるツールDifyが標準搭載されています。Difyの直感的なドラッグ&ドロップ操作は、プログラミング知識を持たない非エンジニアや初心者でも容易にAIアプリ開発を可能にします。このツールを活用し、従来人手で行っていた2ndライン業務を、AIアシスト機能を有するAIアプリへと置き換えました。

運用アウトソーシング業務のAI化 お客様↔1stラインサービスデスク↔2ndラインシステム運用 だった業務が お客様↔1stラインサービスデスク↔AIアシスト に置き換わっている

チューニングフェーズ:高精度なAI応答の実現

AI特有のハルシネーション(誤情報生成)に対処するため、徹底したチューニングを実施しました。過去のインシデントデータに基づき、AIが正確な回答を出力するまでの道のりは、多くの試行錯誤を要しましたが、特に効果的だったのは、AIが認識しやすい形式にデータを変換する「クレンジング」です。

生データをそのまま利用した場合の回答精度は37%に留まりましたが、マークダウン形式およびRAG分割による階層化されたデータにクレンジングを行うことで71%へ向上、さらに、特殊記号(「#」「-」など)の排除によって、現在は82%の回答精度を達成しております。

実証効果と今後の展望

現在、当社のサービスデスクでは月間9,200時間を費やし、約4,000件のインシデントに対応しています。このAIアプリの導入により、同等のインシデント処理を6,200時間で処理することが可能となり、月間33%の工数削減を見込んでおります。

本プロジェクトでは2ndライン業務への「AIアシスト」適用に留まりますが、将来的にはAIが自律的にインシデントをRAGへ登録し、人手を介さずに最適な回答を提供し続ける「AIエージェント」の実現を目指してまいります。

当社がご提供する「Private AI Platform on PRIMERGY」のご紹介

Private AI Platform on PRIMERGY概要

インターネット接続不要で機密データを社外に出さずに利用できる、オンプレミス環境向けの対話型生成AIソリューションです。このソリューションを活用することで、社内の機密情報を安全に取り扱い、自社特有の文書/データ等に応じた質問に回答する対話型生成AIの活用を推進頂けます。

Private AI Platform on PRIMERGYラインナップ

対話型生成AIサービスをすぐに利用できる構築済Readyモデルとしてお届けします。

エントリーモデルからハイエンドモデルまで、お客様の用途・規模に応じた多様な構成をご用意しております。

Private AI Platform on PRIMERGYラインナップ Very Smallモデル 少人数での利用、トライアル利用 最小構成モデル ~400万円 Smallモデル 社内での生成AI活用 スモールスタート 900万円 Mediumモデル 精度のより良い中規模モデル利用 Smallからのスケールアップ 1700万円~ Largeモデル 大規模モデル利用 高可用性、実践的な学習用途 1億円~

Private AI Platform on PRIMERGY関連サービス

「活用シーンの具体化や導入効果測定を実施したい」「AI基盤利用をスムーズに立ち上げたい」「導入後の運用/保守作業の負担を削減したい」など各フェーズに応じた様々な関連サービスをご用意しています。

関連サービス ・お客様の業務やシステムの課題をうかがい、生成AIの適用領域の選定を支援・実機を触って試すことが出来るトライアル環境のご提供・PoCの計画作成や技術課題に対する解決支援・バックアップやセキュリティなどのインフラ環境の導入支援・実際に利用しながら一通り操作方法を学んでいただく教育支援・個別要件への対応 (マルチコンテナ化、同梱AIアプリを変更など)・お客様と伴走し、AI基盤の利用における問題の特定や課題解決を支援・運用に関するQAにメールで対応・LLMの更新作業などのスポット保守を代行・AI基盤運用のアラート監視や定型作業などを代行

最後に AI Readyの未来へ向けて

現在、ChatGPTやCopilotといったWebベースによるAIの利用から一部の業務への「AIエージェント」の適用が始まっています。さらには全業務への「AIエージェント」の定着、AIエージェント同士が対話して問題解決をする未来に向けて、当社では「人がAIを活用できる状態」「AIが自社データを取り込める状態」「自社のAIナレッジDBの構築と維持管理」=AI Readyへ向けて取り組んでいきます。

本事例が皆様のAI活用にお役立ていただければ幸いです。

AI活用ロードマップ 1.生成AIの基礎WEBベースのAIの利用 2.一部業務へのAI適用AIエージェント開始 3.全業務機能に対するAIエージェントの定着化 4.AIエージェント動詞が対話して問題解決 今こそAI Readyへ・People Ready 人材がAIを活用できる状態・Data Ready AIが自社データを取り込める状態・System Ready 自社のAIナレッジDBの構築と維持管理

https://www.fsastech.com/ja-jp/products/primergy/solution/private-ai-platform/