1 エグゼクティブサマリー

0.0

1.1 調査目的

日本コンピュータシステム販売店協会のサポートサービス委員会では、「ITで日本を元気にしよう」という協会の趣旨のもと、皆様にIT利用実態をお知らせし今後のビジネスへの展開に役立てていただくことを目的に、毎年、ITサポートサービスに関するアンケートを実施し、報告書・解説書をまとめている。

今年度は、「セキュリティ」および「デジタルトランスフォーメーション」への取り組み状況についてをメインのテーマとして、「ITシステムの整備状況」についても調査を実施した。

1.2 調査対象

特定の業種に偏らないよう配慮しながら、調査は対象を下記の三つの企業群に分けて実施した。結果、全企業群の合計で1031社から回答が得られた。

図表 1.2.1 調査対象企業 (括弧内はセキュリティとDXへの回答社数)
企業群 企業数 平均年間売上 平均従業員数
会員顧客企業 331社 389億円 776人
22社 3,831億円 7,202人
会員顧客企業(大企業を除く) 309社 119億円 381人
中規模一般企業 350社(292社、336社) 192億円 116人
小規模一般企業 350社(300社、345社) 31億円 7人
従業員数が2000人以上、または年間売り上げが3000億円以上の大規模な企業

1.3 調査の実施概要

調査内容は次の通りとした。

図表 1.3.1 調査内容
調査内容 質問内容
セキュリティへの取り組み状況 セキュリティ対策実施状況、セキュリティ要請状況
セキュリティ対策実施のきっかけ
導入済み、または導入予定のセキュリティ製品・サービス
セキュリティ対策の運用
セキュリティ脅威への対応
セキュリティ対策への課題、投資状況
DXへの取り組み状況 DXへの取り組み状況
DXに取り組む、または取り組もうとする背景
DXに関連する費用、推進体制
DXに必要なスキル
DX推進の状況
DXの成果
DXに取り組めていない背景
ITシステムの整備状況 ITシステム基盤
業務のシステム化状況
システム投資、運用費用、サービス利用費用
企業プロフィール 業種構成、資本構成、地域、年間売上
クラウドは、インターネット経由でコンピューティングリソース(ストレージ、サーバ、データベース、アプリケーションなど)を提供する技術です。物理的なインフラを持たずに必要なリソースを利用できるため、柔軟性が高く、コスト削減やスケーラビリティが可能です。クラウドには、パブリッククラウド、プライベートクラウド、ハイブリッドクラウドなどの展開方法があり、企業のニーズに応じて選択できます。クラウドを導入することで、遠隔地からでも安全にデータやアプリケーションにアクセスでき、業務の効率化やリモートワークの促進が実現します。また、クラウド基盤は、デジタルサービスの迅速な展開を支援する一方で、データ保護やセキュリティ対策(暗号化、アクセス管理など)が重要な要素となります。

1.4 調査結果トピック

1.4.1 セキュリティへの取り組み状況

(1) セキュリティ対策実施状況、セキュリティ要請状況

  • セキュリティ対策は、会員顧客企業で8割、中規模一般企業で7割、小規模一般企業で6割が実施済み
  • セキュリティ要請がある企業の方が、セキュリティ対策実施率が高い
セキュリティ対策の実施状況
セキュリティ要請の有無別でみたセキュリティ対策の実施状況

(2) セキュリティ対策実施のきっかけ

  • セキュリティ対策実施のきっかけは、会員顧客企業では「自社で必要性を感じた」の割合が高い
会員顧客企業

(3) 導入済み、または導入予定のセキュリティ製品・サービス

  • 社内データ保護のために導入されている製品では、会員顧客企業では「バックアップ製品」、「」、 中規模一般企業では「Active Directory」、「製品」、 小規模一般企業では「製品」の割合が高い
社内データ保護のために導入されている製品
Active Directory(AD)は、Windowsサーバで利用可能なディレクトリサービスで、ネットワーク上の端末、サーバ、プリンタ、アプリケーションなどを一元管理します。ユーザやグループのアクセス権限を統合的に管理することで、ITインフラの運用効率を高め、組織のセキュリティを強化します。また、グループポリシーを活用することで、リソースの管理やアクセス制御を簡素化し、適切な権限やセキュリティポリシーを一括で適用できます。たとえば、社員のログイン認証を集中管理し、アクセス可能なリソースを制限することで、組織全体のセキュリティを向上させます。
ネットワークアクセス制限は、組織内外のネットワークへのアクセスを、特定のユーザやデバイスに限定するセキュリティ対策です。ユーザ認証やIPアドレスフィルタリングを活用し、アクセス可能な範囲を厳密に制御します。不正アクセスや情報漏洩、外部からの攻撃リスクを低減する効果があります。ただし、アクセス制限だけでは十分でない場合もあるため、侵入検知システムや監視体制との併用が推奨されます。
バックアップは、重要なデータやシステムのコピーを定期的に作成・保存し、データの損失や破損、ランサムウェア攻撃などのリスクに備える手法です。障害や災害が発生した際には、バックアップから迅速にデータを復元することで業務の継続を支援します。たとえば、ランサムウェア感染によりデータが暗号化された場合でも、感染前の状態に復元可能です。バックアップは、業務の安定性を確保し、重要情報を保護するための基本的な対策として不可欠です。

(4) セキュリティ対策の運用

  • 会員顧客企業のセキュリティ対策として<正しく運用されており機能している>ものは、「セキュリティルールやポリシーの整備」が8割弱
  • 会員顧客企業ののガイドライン整備は4割弱の運用状況
会員顧客企業のセキュリティ対策の運用
生成AIは、大量のデータを学習し、新しいコンテンツを自動生成するAIの技術分野です。文章、画像、音声、プログラムコード、さらには音楽や動画など、多様な形式のコンテンツを生成することができます。生成AIは、クリエイティブな作業の効率化や自動化、ニーズに応じたコンテンツのパーソナライズを可能にします。たとえば、カスタマーサポートの自動応答、商品紹介文の生成、デザイン案の作成、音楽や動画の制作など、業務の迅速化やコスト削減、個別化されたサービス提供が期待されます。広告業界、エンターテインメント業界、教育分野など、多岐にわたる分野での活用が進んでいます。

(5) セキュリティ脅威への対応

  • 会員顧客企業のセキュリティ脅威の理解(把握)は中規模・小規模一般企業よりも高く、対策も進んでいる
セキュリティ脅威への対応 ※ランサムウェアによる被害抜粋

(6) セキュリティ対策への課題、投資状況

  • セキュリティ対策未実施企業の課題としては、会員顧客企業では「リソース不足」、一般企業では「コスト、経済的な制約」・「経営陣のセキュリティへの関心や意識」の割合が高い
  • セキュリティ投資額は、会員顧客企業・中規模一般企業では「100万円以上、300万円未満」、小規模一般企業では「10万円未満」の割合が高い
セキュリティ対策未実施企業における課題
セキュリティ投資額

1.4.2 DXへの取り組み状況

(1) DXへの取り組み状況

  • DXへの取り組みは、会員顧客企業および中規模一般企業で進んでいる
DXへの取り組み状況

(2) DXに取り組む、または取り組もうとする背景

  • DXに取り組む、または取り組もうとする背景にある経営課題は、「生産性向上」、「収益性向上」、「人材の確保・育成」の割合が高い
DXに取り組む(取り組もうとする)背景

(3) DX関連費用と推進体制

  • 会員顧客企業のDX関連費用では、「300-1000万円未満」の割合が高い
  • 小規模一般企業におけるDX関連費用は「30万円未満」が6割以上
  • DX推進体制では、会員顧客企業と中規模一般企業では「ITシステム部門が主導」、小規模一般企業では「社長、会長、経営企画部門が主導」の割合が高い
DX関連費用
DX推進体制

(4) DXに必要なスキル

  • DXに必要なスキルの確保では、会員顧客企業では「システムインテグレーターなどから調達」、中規模一般企業では「自社で育成」、小規模一般企業では「不要」の割合が高い
DXに必要なスキルの確保 : システム設計

(5) DX推進の状況

  • DXのために導入したデジタル技術は、「」と 「」の割合が高い
DXのために導入したデジタル技術

(6) DXの成果

  • DXに取り組んだ成果については、会員顧客企業および中規模一般企業では「今後の成果が見込まれる」の割合が高い
DXの成果(既存事業のプロセスを改革し、製品やサービスの生産性を高める)

(7) DXに取り組めていない背景

(DXについて「必要と考えているが、取り組めていない」企業)

  • DXを推進する際の妨げは「初期投資費用の確保」と「デジタル技術で業務プロセスに適用できる人材の確保」の割合が高い
  • DXを推進する際にITベンダーに期待することは「会社、業務を理解した上での提案」の割合が高い
DXを推進する際の妨げ
DXを推進する際にITベンダーに期待すること

1.4.3 ITシステムの整備状況

(1) ITシステム基盤

  • パソコンのOS比率では、一般企業では過去3年でWindows11の普及が進んでいるが、会員顧客企業では3割弱の普及水準
パソコンのOS比率の推移

(2) 業務のシステム化状況

  • 会員顧客企業の業務のシステム化状況では、「フロントオフィス」では<サービス利用>、「業務固有部門」では<オンプレミス利用>の割合が高い
  • 一般企業の業務のシステム化状況では、いずれの業務部門でも<システム化していない>の割合が高い
フロントオフィスのシステム化状況
業務固有部門のシステム化状況

(3) システム投資、運用費用、クラウドサービス利用費用

  • 情報システムの新規投資、運用費用、サービス利用費用については、全ての費用(投資)において、会員顧客企業および中規模一般企業は「100万円-1000万円未満」、小規模一般企業では「10万円未満」の割合が高い
情報システム新規投資額

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